買い目は、決めた瞬間がいちばん少ない。

そこから馬券を買うまでのあいだに、必ず増える。

増えるのは「押さえ」からだ

こういう順番になることが多い。

本命の一頭は決まっている。相手も二頭に絞れている。ここまでは自分の予想だ。

そこから先が違う。

「この馬も来たら悔しいな」と思う。押さえで足す。もう一頭思い浮かぶ。また足す。気づくと当初の倍の点数になっている。

この追加分は、予想ではない。後悔の先回りだ。

外したときに「あれも買っておけば」と思いたくない。その気持ちが点数を増やしている。予想の精度が上がって増えたわけではない。

増えると何が起きるか

点数が倍になると、1点あたりの金額は半分になる。

そして困ったことに、押さえで足した馬が来たときの配当は、たいてい低い。本命の相手として妥当だと自分でも思っている馬だからだ。

結果として、こうなりやすい。

  • 当たる回数は少し増える
  • 当たったときの取り分は目に見えて減る
  • トータルでは薄くなる

的中の回数が増えるので、体感としては悪くない。数字にすると悪い。ここが厄介なところになる。

3分置く

藤本は──私はタロットと数秘を扱う仕事をしているので、決断を寝かせる話をよくする──ここで勧めているのは単純なことだ。

買い目を決めたら、一度手を止めて3分置く。

何かを考える必要はない。スマートフォンを伏せてもいいし、コーヒーを買いに行ってもいい。

3分後にもう一度見ると、押さえで足した分の何点かは、自分でも理由が思い出せなくなっている。

理由が思い出せない買い目は、消していい。

なぜ3分なのか

以前判断が鈍る日の話で、金額の大きい買い物は翌日に送るという話を書いた。

競馬では翌日に送れない。締切がある。

だから、同じ仕組みを分単位に縮める。時間を挟むこと自体に意味があるので、長さは本質ではない。熱が少し下がればいい。

3分というのは、締切に間に合ううちで、いちばん現実的な長さというだけだ。

前夜との違い

以前レース前日にやめている2つの行動で書いたのは、前夜の過ごし方だった。

前夜にやるのは「予想を作る」こと。当日直前にやるのは「作った予想を守る」こと。

役割が違う。そして崩れるのは、たいてい後者のほうだ。

前夜にしっかり組んだ買い目が、締切5分前に別物になっている。これがいちばんよくある崩れ方になる。

上限は先に決めておく

3分置くのとあわせて、もうひとつ。

点数の上限を、レースを見る前に決めておく。

何点が正解か、という話ではない。3点でも12点でも構わない。大事なのは、その場で変えないことだ。

上限が無いと、3分置いても「まあ1点くらいなら」で戻ってしまう。

的中率は変わらない

はっきり書いておく。

3分置いても、レースの結果は変わらない。走るのは馬で、こちらの過ごし方は関与しない。

変わるのは、当たったときにいくら受け取れるかだけだ。

それでも、長く続けている人ほどここを気にしている。派手な話ではないが、効く場所はここしかない、というのが実際のところだと思う。

次のレースでやること

ひとつだけ。

買い目を決めたら、買う前に一度手を止める。

3分後に、理由の思い出せない買い目を消す。

消せた点数が、その日の取り分になる。

✦ この記事のまとめ

買い目は決めた直後に増えます。「押さえ」で足した点数のほとんどは、3分置くと消えます。

的中率が上がるわけではありません。ただし1点あたりの金額が薄まるのを防げます。当たったときの取り分が変わります。

よくある質問

3分置くと的中率は上がりますか?
上がりません。レースの結果は馬・騎手・条件で決まります。変わるのは買い目の点数と1点あたりの金額です。
なぜ買い目は増えてしまうのですか?
外したときの後悔を先回りして避けようとするためです。「これも来たら悔しい」という感情が点数を増やします。
何点までに絞るべきですか?
決まった正解はありません。自分で上限を先に決めておき、その場で変えないことのほうが重要です。