「金運が下がる財布」で調べると、色と素材の話ばかり出てくる。

黒はよくない、合皮はよくない、青は水に流れる。

こうした言い伝えは確かにある。ただ、地域や流派で言っていることが違い、一貫していない。「黒は落ち着いて貯まる」とする説もある。

神崎は──私は浄化と開運の作法を扱う仕事をしているので、財布の相談を毎年受ける──色の話をする前に、別のところを見るようにしている。

使い方のほうだ。

共通しているのは、ひとつだけ

「貯まらない」と言う人の財布を見せてもらうと、色も形もバラバラだ。

ただ、共通していることがひとつある。

いくら入っているか、開けても分からない。

これが本質だと思っている。残額が見えないと、使い方が雑になる。雑になると、月末に「何に使ったか分からない」が残る。

以下の5つは、すべてここに効いてくる。

一:厚みで閉じきらない

いちばん多い。

閉じたときに、留め具が浮いている。あるいはファスナーが弧を描いている。

厚みの正体は、たいてい現金ではない。レシート、ポイントカード、期限切れのクーポン。以前財布に入っていないもので書いたとおり、抜けば半分になることが多い。

厚いと、開いたときに札が見えない。奥まで指を入れないと確認できないので、確認しなくなる。

二:札の向きが揃っていない

向きを揃えるのは縁起の話として語られることが多いが、実務的な理由もある。

揃っていないと、枚数が数えにくい。

数えにくいと、パッと見の残額が分からなくなる。分からないと、使う前に一度考えるという動作が消える。

揃える手間は数秒だ。効くのはその数秒より、揃っている状態を保とうとする意識のほうだと思う。

三:小銭が同じ場所にある

小銭入れが札と一体になっていて、開けると混ざっている財布がある。

これも残額が見えなくなる原因になる。小銭の重みで膨らむので、一の「厚み」も同時に起きやすい。

小銭を分ける、あるいは小銭を持たない。どちらでもいい。混ざったままにしないことのほうが要点になる。

四:レシートを「後で」にしている

その日のうちに抜かないレシートは、たいてい一週間残る。

一週間残ったレシートは、一か月残る。

以前も書いたが、縁起の面では済んだ出費を持ち歩くことになるとされる。実務の面では、単純に厚みを作る。

どちらの理由でも、抜いたほうが扱いやすい。

五:使っていないカードが半分以上

カードポケットが埋まっている財布は多い。

ただ、埋まっているカードのうち、この半年で使ったものが何枚あるか。数えると、たいてい半分以下になる。

診察券、終わった店の会員証、期限切れの割引券。入っていること自体を忘れているカードが、いちばん多い。

これも厚みになり、目的のカードを探す時間を増やす。

色と値段の話

ここまで色にも値段にも触れていない。意図的に触れていない。

四万円の財布を六年使って角が白くなっている人と、五千円の財布を毎年替えている人。どちらが貯まっているかは、値段では決まらない。

以前、厄年に財布を買わなかった人の話を書いたことがある。彼女が最後に替えたのは、置く場所を作ったあとだった。順番が逆だと、器だけ変わって中身は同じままになる。

買い替える前にやること

もし「下がっている」と感じているなら、買い替える前に一度やってほしいことがある。

中身を全部出して、机に並べる。

そのうえで、戻すものだけを戻す。

これをやると、買い替えなくても解決することがかなりある。厚みが減って残額が見えるようになれば、それで足りる場合が多い。

それでも替えるなら

並べたあとで、まだ替えたいと思ったら替えればいい。そのときは順番だけ守る。

  1. 買う(日は気にしなくていい)
  2. 数日寝かせる。その間に中身を仕分ける
  3. 寅の日か巳の日から使い始める

色は好みで選んで構わない。九星から選びたいなら本命星別の色もまとめてある。

ただ、色を替えても厚みが同じなら、見え方は変わらない。

今日やること

財布を閉じてみてほしい。

留め具が浮いていたら、それが答えになる。

✦ この記事のまとめ

金運が下がる財布として語られるのは色や素材ですが、実際に効いているのは使い方のほうです。

共通するのは残額が見えなくなっていること。厚み・仕切り・出し入れのしにくさが重なると、使い方が雑になります。

よくある質問

黒い財布は金運が下がりますか?
下がると決まっているわけではありません。色に関する言い伝えは流派や地域によって異なり、一貫していません。
二つ折りは長財布より金運が悪いですか?
形そのものの優劣はありません。中身が見渡せるかどうかのほうが実務的には影響します。
何年使ったら替えどきですか?
年数の決まりはありません。残額が把握しづらくなっていたら、それが替えどきの目安になります。