種銭という言葉は広まっているのに、やり方の説明はかなり曖昧なまま流通している。
いくら入れるのか。新札でないといけないのか。どこに入れるのか。
決まりが無いところと、押さえておくと効くところがある。分けて書く。
種銭とは何か
財布に入れたまま、使わずに留め置くお金のことを指す。
「種」という言葉のとおり、蒔いた種が増えるという連想から来ている。お守りとして扱う考え方に近い。
神崎は──私は神社と浄化の作法を扱う仕事をしているので、この質問を毎年受ける──最初に必ず確認することがある。
使わない前提で持てるか。
ここが決まっていないと、他をどれだけ整えても機能しない。
金額に決まりは無い
いちばん多い質問がこれだが、決まりは無い。
一万円札一枚とする人が多い。五千円の人も、新札の千円札を数枚揃える人もいる。
金額よりも、その額を一年間動かさずに置いておけるかのほうが重要になる。
生活が苦しい月に取り崩す額なら、種銭にはならない。取り崩した時点で普通のお金に戻る。
続けられる額にする。 これは熊手を毎年同じ大きさで買っていた人の話とも通じるところがある。
新札を使う理由
新札で用意する、という話はよく語られる。
理由として言われるのは、まだ誰の手も経ていないお金だから、というものだ。清められた状態に近いという考え方になる。
必須ではない。ただ、実務的な利点がひとつある。
新札は使いにくい。
折り目のない札は、財布の中で明らかに他と違って見える。無意識に出してしまう確率が下がる。
縁起の理由より、こちらのほうが効いていると私は思っている。
寝かせる、という工程
用意したら、すぐ財布に入れない、という説がある。
暗い場所に数日置く、というやり方が語られることが多い。
これも必須ではない。ただ、財布の使い始めと同じで、間に時間を挟むこと自体に意味があると考えている。
数日置くと、その間に「本当にこの額でいいか」を考え直せる。多すぎると気づいたら減らせばいい。
入れる場所
ここがいちばん実務的に効く。
札入れにそのまま入れると、使ってしまう。
急いでいるとき、財布の中で種銭かどうかは区別されない。一年もたない人のほとんどが、ここでつまずいている。
取り出しにくい場所に入れる。具体的にはこのあたりになる。
- 小さな封筒や和紙に包んで、カードポケットの奥
- 札入れの奥の仕切り(普段使わない側)
- ファスナー付きのポケットがあるなら、そこ
包むのは縁起の話でもあるが、一手間かけないと取り出せない状態を作るのが目的になる。
銭洗いのお金を種銭にするか
これはよく聞かれるが、考え方が分かれる。
銭洗いの記事で書いたとおり、洗ったお金は使って巡らせるという説が広く語られている。留め置くと、そこで流れが止まるという考え方だ。
一方で、お守りとして持つ説もある。
混乱するくらいなら、分けたほうがいい。洗ったお金は使う、種銭は別に用意する。 そう決めておけば、どちらの説とも衝突しない。
いつ入れ替えるか
一年に一度、という言い方が多い。
厳密な決まりは無いので、財布の中身を見直す時期に合わせるのが現実的だと思う。以前財布に入っていないもので書いたが、カードやお守りの見直しは年に一度で足りる。同じタイミングでいい。
入れ替えた古い種銭は、普通に使って構わない。
日を選ぶなら
用意する日、入れる日を選びたいなら、金運の吉日を使う。
- 巳の日 — 弁財天の縁日。貯める・納めることに向くとされる。種銭とは相性がいい
- 己巳の日 — 60日に一度。巳の日のなかでも重んじられる
12日に一度巡ってくるので、思い立ってから一週間以内に来る。
今月やること
三つでいい。
ひとつ、金額を決める。 一年動かさずに置ける額にする。
ふたつ、封筒か和紙を用意する。 包むことで、取り出しにくくする。
みっつ、カードポケットの奥に入れる。 札入れには入れない。
種銭は増やすためのものというより、使わない一線を財布の中に作るもの、というのが私の理解になる。
一線があると、残りをどう使うかが見えやすくなる。
✦ この記事のまとめ
種銭は財布に留め置くお金で、金額に決まりはありません。続けられる額であることのほうが重要です。
要点は使わないこと。札入れに混ぜると使ってしまうため、封筒やカードポケットなど取り出しにくい場所に入れます。



