負けているときにやめられない、という話はよく聞く。

けれど見落とされがちなのは、勝っているのにやめられないという場面のほうだ。

たとえば、こんな場面を考えてみてほしい。夕方の時点でプラスだった。そこで帰っていれば、その日は勝ちだった。けれど、帰らなかった。

著者名の星野澪は、本メディアの創作上のペルソナです。実在の鑑定者による経験談ではありません。詳しくは運営者情報をご覧ください。

出玉を基準にすると、終わりが来ない

なぜ帰れないのか。

意志が弱いから、と考えがちだ。私はそうは思わない。基準の置き方の問題だと考えている。

出玉や金額を基準にすると、こうなる。

三万円勝ったらやめる、と決めていたとする。三万円に届く。届いた瞬間、目の前の台はまだ回っている。あと少しで五万円かもしれない。基準を五万円に書き換える。

増えるものを基準にすると、基準も一緒に増える。

これは意志の話ではなく、構造の話だ。

時刻は増えない

私がおすすめしたいのは、こういう考え方だ。

増えないものを基準にする。

時刻は増えない。十八時は、どれだけ勝っていても十八時のままだ。

「十八時になったら帰る」と決めておけば、判断の余地が無い。出玉がいくらであろうと、時計は同じ数字を指す。

金額で決めるより、ずっと守りやすい形になる。

入る前に決める、というのが要点

もうひとつ大事なのは、決めるタイミングだ。

店内で「そろそろやめよう」と考えるのは、いちばん難しい条件で判断することになる。音があり、光があり、周りも打っている。しかも数時間座っていて疲れている。

その状態で正しく判断しようとするのは、無理がある。

だから、入る前に決める。

スマートフォンのアラームを一つセットしておく。それだけでいい。鳴ったら帰る、と決めておけば、鳴った時点で判断は済んでいる。

判断力が落ちている場面で、判断しなくて済む形にしておく。

これは買い物でも同じで、以前判断が鈍る日の話でも書いた。金額の大きい決定を、その日のうちにしない。構造はまったく同じだ。

暦をどう使うか

六曜や月齢で当たりやすい日が決まるか、という疑問はよく見かける。

決まらない。抽選は暦を参照していない。

ただ、暦には別の使い道がある。区切りの目印としての使い方だ。

以前休む日の決め方で書いたのは、行く日ではなく行かない日を先に決めておく、という話だった。今回はその続きで、行った日の終わり方にあたる。

日付は毎日進む。だから「この曜日は行かない」「この日は十七時まで」と決めておくと、自動的に区切りが入る。自分の意志で毎回決めなくて済む。

暦が効くのは、確率にではなく、この繰り返しの設計に対してだ。

大きく崩れにくい付き合い方

娯楽として長く付き合うための形には、共通する要素がある。

必勝法ではない。そもそも、抽選に勝つ方法は無い。

  • 入る前に終わりを決めている
  • 決めた終わりを、勝っていても動かさない
  • その日の収支を、金額でメモしている

三つ目は地味だが効く。記録があると、「あの日やめておけば」が具体的な数字になる。数字になると、次に決める終了時刻が現実的になる。

今日やること

次に行く前に、ひとつだけ。

終わりの時刻を決めて、アラームをかける。

それだけでいい。勝っていても、負けていても、鳴ったら席を立つ。

勝っている状態でやめた日は、記憶に残りにくい。派手なことが起きないからだ。けれど、そういう日を積み重ねられるかどうかが、娯楽として無理なく付き合えるかを左右する。

✦ この記事のまとめ

勝っているときにやめられないのは意志の弱さではありません。出玉を基準にすると、やめる理由がいつまでも来ないという決め方の問題です。

有効なのは入店前に終了時刻を決めておくこと。判断力が落ちている場面で判断しなくて済む形にしておくのが要点です。

よくある質問

勝っているときにやめるコツはありますか?
その場で判断しないことです。入店前に終了時刻を決めてアラームをかけておくと、判断力を使わずに切り上げられます。
出玉がいくらになったらやめるべきですか?
金額で決めると、増えるほど基準も動きやすくなります。時刻で決めるほうが、基準が動かないぶん守りやすいと考えられます。
六曜や月齢でやめ時は決まりますか?
決まりません。暦は当否に影響しませんが、「区切りを先に決めておく」ための目印としてなら使えます。