同じ職場で、同じ年数働いて、同じくらいの成果を出しているのに、片方だけが目立つ。
そういう場面に立ち会ったことがある人は多いと思う。
四柱推命には、この違いを説明する枠組みがある。財星という考え方だ。
財星とは
四柱推命では、生まれた年・月・日・時をそれぞれ干支に置き換えて、四本の柱として読む。
そこから「通変星」というものを導く。自分(日干)から見て、他の要素がどういう関係にあるかを十種類に分けたものだ。
そのうち、お金に関わるとされる星が二つある。
正財と、偏財という。
正財:積み上げて入る型
正財は、決まって入ってくるお金を表すとされる。
- 給与
- 継続的な契約
- 家賃などの定期収入
- 信用の積み重ねから生まれる仕事
性質としては、時間をかけて積み上がり、崩れにくい。振れ幅が小さいぶん、跳ねることも少ない。
正財が強い人が力を発揮しやすいのは、同じ相手に、同じ質で、長く関わり続ける仕事だ。地味に見えるが、剥がれない。
弱点もある。成果が見えにくい。積み上がっているものは、外からは変化として認識されにくい。
偏財:波で入る型
偏財は、変動のあるお金を表すとされる。
- 歩合・成果報酬
- 相場に関わるもの
- 一件が大きい仕事
- 人脈から突然生まれる機会
性質としては、振れ幅が大きい。当たる年と当たらない年がはっきり分かれる。
偏財が強い人が力を発揮しやすいのは、機会を掴みに行く仕事だ。動きが多く、外から見て分かりやすい。
弱点は、波が来ない年に消耗しやすいこと。前年と同じ動き方をしても、結果が出ない年がある。
優劣ではなく、土俵の話
ここがいちばん大事なところになる。
どちらが優れているという話ではない。
白川は──私は四柱推命を扱う仕事をしているので、この説明を繰り返している──実務上いちばん問題になるのは、合わない型の土俵で戦っているときだ。
正財の型の人が、偏財の土俵で勝負すると、こうなる。
新規の獲得数や月次の伸び率で評価される場所にいる。自分の強みは継続と信用なのに、それは数字に出ない。出ないから、新規を取りに行く。得意ではないので成果が出ない。その間、本来強かった継続のほうが薄くなる。
そして本人は、こう考える。
自分は能力が低い。
違う。土俵が合っていない。
逆もある。偏財の型の人が、変化のない定型業務だけを何年も続けると、力の出しどころがないまま消耗する。
自分の型を調べる
財星を出すには、命式を組む必要がある。生年月日と、できれば生まれた時刻が要る。
時刻が分からない場合でも、年月日だけである程度は読める。ただし時柱が出せないぶん、精度は下がる。
無料の命式作成ツールも多いが、流派によって表記が違うことがある。複数のツールで結果を比べると混乱しやすいので、ひとつに絞って見るほうがいい。
なお、財星がまったく出ていない命式もある。この場合は、他の星との関係から財を読む。財星が無いことは、お金に縁がないという意味ではない。
型に合わせて、何を変えるか
型が分かったあとにやることは、転職ではない。
見せ方を変えることのほうが、たいてい先に効く。
正財の型なら、積み上がっているものを数字に翻訳する。継続率ではなく、継続によって守った金額。関係の長さではなく、その関係が生んだ累計。
同じ実績でも、比率で報告すると小さく見え、金額で報告すると重みが出る。中身は何も変えていない。
偏財の型なら、波が来ていない年に無理をしない。動かない年に動こうとすると、コストだけがかかる。次の波に備えて、機会が来たときに動ける状態を保つほうが合っている。
家計を共有している場合
夫婦や家族で財の型が違うことは、よくある。
正財の型の人は、偏財の型の人の稼ぎ方を「不安定だ」と感じる。偏財の型の人は、正財の型の人を「動かない」と感じる。
どちらも、自分の型を基準に相手を見ているだけだ。
型の違いとして説明できると、この摩擦は下がる。「あなたのやり方が間違っている」ではなく、「入り方が違う」になる。
今週やること
自分の命式を一度出してみる。それだけでいい。
財星が正財寄りか偏財寄りかを見て、いまの仕事の評価軸がどちらの型に向いているかを考える。
噛み合っていないなら、まず見せ方を変える。それでも変わらないなら、そのとき初めて場所を変えることを考えればいい。
順番を逆にすると、たいてい早すぎる転職になる。
✦ この記事のまとめ
四柱推命の財星には正財と偏財があります。正財は継続と信用から積み上がる型、偏財は波と機会で入る型とされます。
どちらが優れているということはありません。合わない型の土俵で戦うと、能力の問題だと誤解しやすいという点が実務上いちばん重要です。



