財布を買うとき、たいていの人は条件で店を選ぶ。

予算、ブランド、革の種類、行きやすさ。

この選び方には、ひとつ厄介な性質がある。条件はいつでも更新できるので、決まらない。来週もっといいものが出るかもしれない、と思うと先送りになる。

著者名の白川珠代は、本メディアの創作上のペルソナです。実在の鑑定者による経験談ではありません。詳しくは運営者情報をご覧ください。

動かせない基準を一本入れる

物語連載の吉方位で引っ越し先を決める話がある(フィクションです)。

物語のなかでは、条件でなかなか決められなかった主人公が、方角を一本足したことで候補が絞られ、決められるようになる。

方位の実務的な価値はここにある、と私は思っている。

方角は自分では動かせない。 予算は交渉できるし、距離は気持ちで縮む。方角だけは動かない。

動かない基準が一本あると、比較が終わる。

吉方位の出し方

吉方位は、本命星とその年の巡りから決まる。

まず本命星を確定させる。生年月日から算出するが、年の区切りが立春である点だけ注意がいる。1月1日から立春前日までに生まれた人は前年で数える。出し方は本命星の記事にまとめてある。

そのうえで、その年に本命星がどの位置に巡るかを見る。ここから、その年の吉方位が決まる。

毎年変わる。 本命星そのものは一生変わらないが、巡る位置は年ごとに変わるので、去年の方位を今年に使うことはできない。

2027年の該当方位は、市販の暦で確認してほしい。流派によって扱いが分かれる方位もあるため、一冊に絞って見るほうが混乱しない。

測り方

起点は自宅にするのが一般的になる。

ここで一点、つまずきやすいところがある。磁北で見るか、真北で見るかで流派が分かれる。日本では両者に数度のずれがある。

厳密にやろうとすると答えが出ないので、私の考えはこうだ。

地図アプリの方位で足りる。

数度のずれが問題になるほど厳密な運用は、日常では現実的でない。大まかにその方角、で構わない。

日と方角を重ねる

日取りについては、財布を買い替えるなら秋で書いたとおり、買う日より使い始める日のほうが意味を持つ。

だから、こう分ける。

  • 買いに行く日 — 方角を合わせる
  • 使い始める日 — 寅の日か巳の日を選ぶ

二つを同じ日にする必要は無い。買ってから数日寝かせる前提なので、むしろ分かれるほうが自然になる。

両方を一日に揃えようとすると条件が厳しくなり、結局動けなくなる。片方ずつでいい。

該当する店が無いとき

吉方位に財布を扱う店が無い、ということは普通に起きる。

そのときは無理をしない。方角は候補を絞るための材料であって、守れないと台無しになるものではない。

代わりの形としては、こういう順になる。

  1. 吉方位に該当する店があれば、そこへ行く
  2. 無ければ、方角は諦めて日取りだけ合わせる
  3. どちらも難しければ、中身の見直しだけ先にやる

三つ目でも十分に意味がある。以前財布に入っていないもので書いたとおり、買い替えなくても中身を並べるだけでも意味がある。

オンラインで買う場合

店舗に行かない場合、方角をどう扱うかという疑問もあるだろう。

これについては、決まった答えが無い。発送元の方角を見る説もあるが、一般的な作法として定着しているとは言いがたい。

私は気にしなくていいと考えている。方角の効きどころは「選択肢を減らして決められるようにすること」なので、オンラインで迷わず決められるなら、そもそも方角の出番が無い。

方角を使う本当の理由

吉方位で買えば金運が上がる、という書き方を私はしない。

起きているのは、もっと単純なことだ。

決められなかった人が、決められるようになる。

決めれば買える。買えば使い始められる。使い始めれば、中身を見直す機会ができる。

そこから先に効いてくるものは、方角ではなく習慣のほうになる。

今月やること

ふたつ。

ひとつ、本命星を確定させる。 立春の扱いだけ間違えない。

ふたつ、今年の吉方位を市販の暦で調べて、その方角にある店を一つ選ぶ。

一つ選べたら、そこへ行く日を決める。それで買い物は終わる。

✦ この記事のまとめ

吉方位は本命星とその年の巡りで決まり、毎年変わります。去年の方位を今年に使うことはできません。

方角の効きどころは選択肢を減らすこと。条件で選ぶと候補が増え続けますが、方角を一本通すと決まります。

よくある質問

吉方位は毎年変わりますか?
変わります。本命星そのものは一生変わりませんが、その星が巡る位置が毎年変わるため、吉方位も年ごとに変わります。
方角はどこから測りますか?
自宅を起点にするのが一般的です。方位は磁北ではなく真北で見る流派もあり、解釈が分かれます。
近所に該当する店がない場合は?
無理に遠出する必要はありません。方角は候補を絞るための材料で、守れないなら日取りだけ合わせる形でも構いません。