九星の年運は、しばしば順位の形で語られる。
一位はこの星、最下位はこの星、というように。
読み物としては分かりやすいのだが、この読み方はあまり実用的ではないと思っている。
順位で読むと、行動が決まらない
理由がふたつある。
ひとつ、下位と言われた人が何もしなくなる。
「今年は悪い年」と言われて、実際に何をするかというと、たいてい何もしない。一年間じっとしているのは、九星の考え方からしても本来の使い方ではない。
ふたつ、上位と言われた人が油断する。
いい年だから何をしても大丈夫、という読み方をすると、上限を決めずに動くことになる。
九年で一周する
九星気学では、九つの星が九つの位置を毎年めぐるとされる。九年で一周する。
大事なのは、全員が同じ周期を、違う地点から回っているということだ。
誰かが「積む年」にいるとき、別の誰かは「静かにする年」にいる。九年経てば入れ替わる。上下ではなく、位置の違いになる。
白川は──私は暦と九星を扱う仕事をしているので、この説明を毎年している──こう伝えている。
年が悪いのではない。時期と行動が噛み合っていないだけ。
五つの局面
九年の流れは、大まかに五つの局面として説明できる。細かい呼び名や順序は流派で違うので、大枠として読んでほしい。
種をまく時期 — 準備と仕込みの年。目に見える成果は出にくい。ここで焦って結果を求めると空回りする。仕込みが翌年以降に効いてくる。
動きが出る時期 — 人との縁や仕事が広がるとされる年。判断の機会が増える。誘いも増えるので、断る基準を先に決めておくと消耗しない。
実りが見える時期 — 積んだものが形になるとされる年。金銭に関わる読み方が最も多い年になる。ただし実りが見えると周囲からの相談も増える。
整理の時期 — 手放しと見直しに向くとされる年。新しく大きく始めるには向かないとされる。次の周期に持ち込むものを絞る年になる。
静かにする時期 — 動きを控えるとされる年。土台の点検に充てるとよいと言われる。外に出す動きを止め、内に積む動きを一つだけ残しておく。
局面ごとの「お金の動かし方」
金運の文脈に落とすと、こうなる。
種をまく時期 — 支出が先行しやすい。回収の時期を先に見積もっておく。今年中に戻そうとしない。
動きが出る時期 — 交際費が増えやすい。上限を先に決めておく。誘いの数ではなく金額で管理する。
実りが見える時期 — 入ってくる年ほど、出ていく相談も増える。断る基準を、頼まれる前に決めておく。
整理の時期 — 固定費の見直しに向く。使っていない契約、惰性で続いているサービス。ここを止めるのに適した年になる。
静かにする時期 — 大きな買い物を先送りする。代わりに、記録をつけ始めるのに向く。
実りの年に気をつけること
五つのうち、注意が要るのは「実りが見える時期」になる。
一見いちばん良さそうな年だが、相談が集中する年でもある。
以前個人年8の話でも書いたが、実りが見えるということは、他人からも見えるということになる。うまくいっている年に断るのは、感じが悪いと思われそうで難しい。
だから、断る基準を年の初めに決めておく。金額でも、相手との関係でもいい。頼まれてから考えると、実っている年は、まず断れない。
静かな年をどう使うか
逆に、下位と語られやすいのが「静かにする時期」になる。
ここで何もしないのが、いちばんもったいない。
止まること自体には力が無い。一年空けても、空けただけなら一年ぶん歳を取る。
意味があるのは、外に出す動きを止めているあいだに、内に積む動きを一つだけ残しておくことになる。
一つでいい。多いと続かない。記録をつける、固定費を見直す、体を動かす。外から評価されないもののほうが、この時期には向いている。
自分の局面を知る
まず本命星を確定させる。生年月日から出すが、年の区切りが立春である点だけ注意がいる。1月1日から立春前日までに生まれた人は前年で数える。手順は本命星の記事にまとめてある。
そのうえで、2027年に自分の星がどの位置に巡るかを市販の暦で確認する。流派によって配置の読み方が違うので、一冊に絞って見るほうが混乱しない。
家族の分も出しておく
同じ年に、家族全員が同じ局面にいるとは限らない。
片方が「動く年」で、もう片方が「守る年」ということが普通に起きる。このとき、片方は転職や引っ越しを考え、もう片方は現状維持を望む。
どちらも自然な反応であって、どちらかが間違っているわけではない。
局面の違いとして説明できると、話し合いの温度が下がる。家計を共有しているなら、出しておくと調整しやすい。
今年やること
ふたつ。
ひとつ、自分の本命星と、2027年の局面を確定させる。
ふたつ、その年に「やらないこと」を一つ決める。
やることではなく、やらないこと。動く年なら守りを一つ手放す。守る年なら新規を一つ我慢する。
九星は判断を代わりにしてくれる道具ではない。判断の材料を一つ増やす道具になる。増やしすぎると、また迷い始める。だから一つでいい。
✦ この記事のまとめ
九星は九年周期で局面が変わります。順位の上下ではなく、その年に向いている動き方が違うと読むほうが実用的です。
積む年に守りに入れば機会を逃し、静かな年に大きく動けば消耗します。年が悪いのではなく、時期と行動が噛み合っていないだけです。



