お金の話ができる相手がいない、と言う人は多い。
友人には見栄が邪魔をする。家族には心配をかけたくない。パートナーには過去の話をしていない。同僚とは金額が違いすぎる。
全部わかる。私も長いあいだそうだった。
一人に全部を求めている
藤本は──私は会社勤めのかたわらタロットと数秘の相談を受けているので、この話を何度も聞いている──相談を聞いていて気づいたことがある。
「お金の話ができる相手」を、一人で探している。
その一人に求めているものが、実は三つある。
- 共有 — 状況を言葉にして、聞いてもらう
- 相談 — 一緒に考えて、意見をもらう
- 判断 — 具体的な手続きや金額を決める
この三つを全部満たす相手は、まずいない。いないので「相手がいない」という結論になる。
分けると、話は変わってくる。
共有の相手
これはいちばん見つかりやすい。
判断してこない人であればいい。
数字を出す必要も、正確である必要も無い。「今月きつい」「先が読めなくて不安」で足りる。
条件は一つだけある。アドバイスをしてこない人を選ぶ。
親身な人ほど解決策を出してくる。出されると、こちらは説明を追加することになり、話すこと自体が仕事になる。それで話さなくなる。
「聞くだけでいい」と先に言っておくと、たいていの人は聞くだけにしてくれる。
相談の相手
ここは、金額の近い人を選ぶ。
生活の規模が違いすぎると、前提の説明から始まる。説明のあいだに、こちらの気持ちが萎える。
同じくらいの規模で、同じくらいの時期を通っている人。友人でなくてもいい。
相談の相手は、一人でなくていい。テーマごとに違う人でいい。住まいのことはこの人、仕事のことはこの人、というふうに分かれているほうが自然になる。
判断の相手
ここだけは、専門の窓口を使う。
返済、契約、税、保険。ここを友人や家族に持ち込むと、関係のほうが先に壊れることがある。
公的な相談窓口や、資格を持つ専門家に持っていく。無料で相談できる窓口も各自治体にある。
判断を身近な人に求めない。 これを決めておくだけで、身近な人との会話がずいぶん楽になる。
数字は、数える必要がある
数秘の話を少しする。
ソウルナンバーで見ると、お金への向き合い方には型がある。
数字を細かく見る型の人は、話す前に自分で整理してしまうので、相手を必要としない時期が長い。ただ、整理が止まったときに一気に詰まる。
数字を見ない型の人は、話すことで初めて形になる。この型の人が「相手がいない」と言うとき、詰まりは深くなりやすい。
自分がどちらかを知っておくと、詰まる前に動ける。
相手がいない時期もある
これは書いておきたい。
引っ越したばかり、転職したばかり、関係が変わったばかり。そういう時期に、共有の相手が一時的にいなくなることは普通にある。
そのときは、書くことで代用できる。
ノートでも、送らないメモでもいい。共有の相手に求めているのは「言葉にする」ことなので、聞き手が人でなくても、半分は機能する。
半分でいい。全部を待っていると、その時期のあいだ何も出せなくなる。
今週やること
三つ。
ひとつ、共有の相手を一人だけ思い浮かべる。 アドバイスをしてこない人。
ふたつ、その人に「聞くだけでいい」と先に言う。
みっつ、判断が要るものは、専門の窓口に回すと決めておく。
全部を一人に話そうとするのをやめると、話せる相手は、たいてい最初からいる。
✦ この記事のまとめ
お金の話が誰にもできないのは、一人の相手に「共有・相談・判断」の全部を求めていることが多いためです。
三つを別の相手に分けると、話せる相手は実際には見つかります。まず「共有だけ」の相手を一人決めるのが入口になります。

