年末になると「2027年の最強開運日」という一覧が大量に出回る。
便利に見えるのだが、私はこれをそのまま使うことを勧めていない。
ウェブの一覧を勧めない理由
理由がふたつある。
ひとつ、暦の版によって表記が違う。
暦注は版元によって扱いが分かれるものがある。ある暦では吉日とされる日が、別の暦では扱いが違う、ということが実際に起きる。
ふたつ、転記ミスが混ざる。
一覧記事の多くは、他の一覧を参照して作られている。元が間違っていると、そのまま広がる。私は毎年いくつか見つける。
一日二日ずれていても、たいていの人は気づかない。気づかないまま、その日に何かを決めてしまうのが問題になる。
自分で作る
白川は──私は暦を扱う仕事をしているので、毎年これをやっている──手順は単純だ。
市販の暦を一冊買って、そこから写す。
版元が明記されているものを選ぶ。神宮館、高島暦など、毎年出ているものであればいい。書店に並ぶのは秋以降だが、早い時期のほうが選べる。
書き込むのは天赦日だけ
ここがいちばん大事なところになる。
年間カレンダーに書き込むのは、天赦日だけでいい。
理由は数にある。
| 暦注 | 年間の日数 |
|---|---|
| 天赦日 | 5〜6日 |
| 一粒万倍日 | 60日前後 |
| 寅の日 | 30日前後 |
| 巳の日 | 30日前後 |
| 大安 | 60日前後 |
一粒万倍日まで書き込むと、カレンダーの三分の一が埋まる。全部書けば真っ黒になる。
印が多いカレンダーは、印が無いのと同じになる。
天赦日は年に5〜6回しかないので、書き込んでも埋もれない。パッと見て分かる。これが年間カレンダーの役割になる。
一粒万倍日はどうするか
書き込まない。必要になったときに調べる。
月に数回あるので、思い立ってから一週間以内にたいてい来る。前もって押さえておく必要が無い。
以前一粒万倍日と天赦日の記事で書いたとおり、重なる日は年に数日しかない。この重なりだけは天赦日の印から自動的に見つかるので、天赦日を押さえておけば足りる。
天赦日の確認に必要なもの
天赦日は、季節(立春からの節切り)と干支の組み合わせで決まる。
つまり二十四節気の日付が前提になる。ここは国立天文台が毎年公表している暦要項が一次になる。市販の暦もこれに基づいて作られている。
暦要項は前年の2月頃に公表される。2027年ぶんは2026年2月に出ている。
祝日と重ねる
天赦日に印をつけたら、次に祝日を重ねる。
翌年の国民の祝日は、内閣府が前年に公表する。官報での公表は前年2月頃になる。
重ねると、その日に実際に動けるかどうかが分かる。平日の火曜日が天赦日でも、仕事があれば銀行にも神社にも行けない。
動ける日だけが、計画として意味を持つ。
割り当てる
日が決まったら、そこに何をするかを一件だけ決める。
一件だけ、というのが要点になる。天赦日に五つ用意すると、たいてい二つで終わる。
割り当ての考え方は金運の吉日の記事にまとめてあるが、大まかにはこうなる。
- 開業・独立・大きな始まり → 天赦日、一粒万倍日
- 財布の使い始め・出発 → 寅の日
- 貯蓄・祈願 → 巳の日
書かない日も決める
年間カレンダーを作るとき、抜けやすいのがこれになる。
暦を気にしない日を決めておく。
給与の振込日、自動引き落とし、相手の都合で決まる打ち合わせ、家族の予定。こうしたものまで暦で判断すると、暦のほうが生活を圧迫し始める。
自分で日を選べるものだけが、暦の対象になる。
15分で終わる
まとめると、やることはこうなる。
- 来年の暦を一冊買う(版元が明記されているもの)
- 天赦日にだけ印をつける(5〜6個)
- 内閣府の祝日一覧と重ねる
- 重なった日に、一件だけ割り当てる
15分あれば終わる。
一覧記事を読む時間より短い。そして、日付が確実になる。
逃してもいい
最後にひとつ。
吉日は何度も巡ってくる。寅の日も巳の日も12日ごと、一粒万倍日は月に数回、天赦日でさえ年に5、6回ある。
「今年の最強開運日を逃したから今年はもうだめ」という考え方は、暦の使い方として本末転倒になる。
暦は動けない理由を作るためのものではない。動くきっかけを、年に何度も用意してくれる仕組みになる。
✦ この記事のまとめ
ウェブの開運日一覧は暦の版の違いや転記ミスが混ざります。一年の予定を決めるなら、市販の暦から自分で作るほうが確実です。
書き込むのは天赦日だけ。年に5〜6回しかないので印が埋もれません。一粒万倍日まで書くとカレンダーが真っ黒になり使えなくなります。

